新企画、構想中!!

◆まぁ、どうしても時間がかかってしまう。 迷走原作者 松田康志

 「スプラッシュ!!」の連載が終わり、現在はマンサンの「闇の馨師」、別冊週漫スペシャルの「主婦たちの秘め事」という二つの連載だけになっているのだが、当然それらの連載だって、いつまでも続く保証はなく、新しい連載の企画を色々と作っていかなければならない。しかし、俺はこの新企画の構想ってのに、本当に時間がかかるのです。
 もともと、物書き志望で、文学少年だったという過去がある訳ではなく、たまたま学生時代に役者として自分の入っていた劇団の劇作家が逃亡して、代理戯曲家として始めた作家人生。まぁ、なんだかんだいって、舞台や映像系の脚本、そして、漫画原作と、そのままの流れで20年近く書き続けているのだから、今更書くのは苦手なんですなどと口には出せない部分もあるのだが……。
 でも、だからなのか、いざという時に、急に作家としての自分に自信がなくなる。これも、大ヒットを飛ばしている作家ではないからといえば、それまでなのだが……。

 自信がなくなるから、俺は企画に時間がかかってしまう。編集に、企画を見せた時に「えッ!? 何年も書いててこんなもんなの?」と思われるのが怖いのだ。よく、友達の作家でも「思いつきで面白いと思ったものを、簡単にまとめてささっと企画書にした方が、最初に面白いと思ったイメージが企画書に現れる」という意見がある。もっともだと思うし、俺もそれで書き上げ、作品化したこともある。しかし、ほとんど場合、やはり時間をかけてしまう。特に、最近は特殊な方向に向かう傾向があるのか、まずはストーリー作りの前に、その世界の取材や勉強があり、そこから少しづつイメージがふくらんで来るという流れだ。

 そして、現在3っつの作品世界の構想を練っている。それを今ここで明かすわけにはいかないが、それぞれがもう随分と考え続け、勉強している作品だったりする。雑誌が決まっていて(企画が完成してないのだから、掲載が決定しているわけではない)待たせている作品もあったりする。また、未だに作品化する、まとまりがないまま、時たま調べ勉強を続けている作品も他に数点あったりする。なんて能率が悪いのだろう。そう、俺はつくづく効率が悪い作家なんだと思う。だから、収入の波も激しい。恐ろしく激しい。嫁さんは、酷くそれを嫌がる。まぁ、そんなことはここに書くことでもないのだが……。

 まぁ、そんなこんなで、現在は新しい企画を考え中というご報告までという感じです。