得点競技の難しさ・・・

●編集部からのクレーム●
          ジレンマを感じてる漫画家 千葉

前回から試合のシーンに入り、空回りする悪い癖の意気込みでシンクロの“捻り”を描いた。・・・わき腹を捻りながら。
で、描き終えてみると案の定大した仕上がりでもなく無難に済ませてる“いつもの悪い癖”に落胆する・・・。
意気込む無かれ・・・。自然体、自然体。
反省するなら猿でもできる・・・昔のTVコマーシャルが頭をよぎる。

追い討ちをかけるように編集部から『採点方法が分かり辛い』というクレームがつく。
同調を採点する5名の審査員、技術を採点する4名の審査員。同調と技術共に出された得点の最高点と最低点をカットした得点を全て足した数字に難易率をかけて、審判3人制にして5分の3が得点・・・。
飛び込み競技を理解してる読者なら分かっても、知らない読者にはパズルに思えるだろうと原作の松田さんとも協議して“見せ方で工夫する”ことにはなってる。 ただ、最初に採点の仕組みを一応明記しておくという意味で前回描いてみた・・・。

正直『分からない』と言われるのが辛い。 
漫画は万人に分かってもらえる表現方法だという自負がある。 漫画を読まない人が漫画の読み方が分からないと言うのなら仕方ないけれど、常に読者の立場で作品を見ている編集サイドから『分からない』の指摘は、連載打ち切りも有り得る事を意味する。
飛び込みの演技自体も、複雑な動きを一瞬で見せるものだから、描き方次第だとは思うものの『分からない』と言われたらどうしよう!とヒヤヒヤしながら描いてる始末。


・・・と、まあ愚痴っぽい事を書きましたが。

そんなことは百も承知で始めた連載!
今更何言ってんだ!! 分かりやすく描いてやろーじゃないか!!

・・・(;・∀・)ハッ!
また意気込んでるし!!



◆難しい物を、難しいまま放ってしまった確信犯?◆
                    まだまだ未熟な原作者 松田
 そうか、ダメ出しが出たなんて、知らなかったですぅ。(^^;)
 しかし、この採点の扱いには、本当に頭を悩ませるです。実際、最初の採点が乗る原稿は、ほとんどの作業時間がこの悩みで締められていたりする。そして、もしかして改正されたルールの中で分かりやすくなってないかと、国際水泳連盟のルールページの英語と必死で格闘して見たりもした。(でも、そこはまだ変化なしのようだった……)
 まぁ、そんな感じで
「まったくあたらしい採点方法を採用しちゃう」という方法も考えたり、「この3/5ってのをなしにしちゃう」なんて強引なことも頭によぎったり、「難しい採点計算を作品では飛ばして、最終的に出て来る点数だけを出す」などという最終兵器を使ってしまおうかとも思った。
 でも、俺が出した結論が、細かいことはどうでもいいという読者が無視できるレベルで
正しい計算方法も提示し、結果導き出される点数で争っているという図式を派手に展開できればなんて、甘く考えてしまった。それが、千葉さんを追い詰めてるんだな……。
 う〜ん、反省しつつも、まだまだ答えは出ない未熟さ……。
 もっと、しっかりしなくては……。